はじめに
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‘ とりよろふ ’
それは万葉集に出てくる、日本のたいへん古いことばです。
大和には 群山あれど とりよろふ 天の香久山 登り立ち
国見をすれば 国原は 煙立ち立つ 海原は かまめ立ち立つ
うまし国ぞ 秋津島 大和の国は
舒明天皇 国見の歌(巻1-2)
(大和にはたくさんの山があるが、とりわけ立派にととのっている天の香具山に登って国を見渡せば、国原からはあちらこちらから煙が立ち上がり、海原からは鴎が飛び立っている。本当に良い国だ、秋津島の大和の国は)
ととのいそなわる、とりわけてよい・・・・・そんな意味があるそうですが、ほかに使われる例がないため、はっきりとは分かっていません。
古い言葉でありながら、何処となく新しい響きが感じられ、謎めいているが故に、未知なる広大な万葉の世界を思い描かせる言葉です。
私は、伝統ある友禅という手法を受け継ぎながらも、たえず「どこか」新しい表現を創造していきたい。そして、見る人に「何か」を語りかけてくれるようなきものをつくりたい。
‘とりよろふ’にはそんな願いが込められています。
‘ とりよろふ ’ のマークについて

とりよろふのマークは、綬(リボン)をくわえた鳥を意匠化したものです。
このような文様は咋鳥文(さくちょうもん)、含綬鳥文(がんじゅちょうもん)などと呼ばれ、
めでたいことの起こる前兆を告げる瑞鳥(ずいちょう)とされます。